こどもちゃれんじを、活かせる使い方は?
なぜこの話題が気になるのか
こどもちゃれんじは、ベネッセコーポレーションが1988年から続けている幼児向けの通信教育で、しまじろうのキャラクターとともに、日本の家庭でとてもよく知られている教材です。月額は概ね2,000〜3,000円台と、幼児教材の中では始めやすい価格帯で、年齢別にコース(baby・ぷち・ぽけっと・ほっぷ・すてっぷ・じゃんぷ など)が用意されています。
受講中のご家庭で、こんなことを感じたことはありませんか。
- 「毎月、絵本やエデュトイは届く。でも、本当に身についているのか分からない」
- 「動画やDVDをつけているだけになりがちで、これでいいのか不安」
- 「エデュトイは数日遊ぶと飽きてしまい、すぐに棚の隅に追いやられる」
- 「届く絵本は読むけれど、親向けの情報誌はほとんど読めていない」
- 「SNSで 『しまじろうのおかげでトイトレが進んだ』 等を見ると、うちはちゃんと活かせていない気がする」
この記事では、こどもちゃれんじの教材構成を中立に整理しつつ、関連する研究の知見を踏まえて、すでに受講中のご家庭が教材を「活かす」ための視点を、建設的にお届けします。「効いていないかも」と気にしすぎているお母さんに、肩の力を抜いてもらうための記事です。
こどもちゃれんじはどんな教材か
選び方ではなく「どう使うか」が本記事の中心なので、まず教材構成を中立に整理しておきます(コースや時期によって構成は更新されています。ここでは2026年5月時点のぽけっと(2〜3歳)を中心に、一般的な構成として紹介します)。
- 絵本:月1冊、年齢に合わせたしまじろうの物語絵本。生活習慣・社会性・言葉のテーマがおおむね組み込まれている
- エデュトイ(知育玩具):月ごとに1点前後の知育玩具。ねじブロック、つみあげタワー、形あわせ、ごっこ遊びセット、トイレトレーニング関連グッズなど
- 映像教材(DVD または配信動画):しまじろうのアニメ、歌、生活習慣のミニコーナーなどを月ごとに更新
- 音声/ペン教材:ぽけっと以降は、絵本やボードにタッチすると音声が出る「おしゃべりぶっく」「音声ラーニングペン」等が含まれる年があります
- 親向け情報誌:子どもの発達のポイント、声かけのコツ、家庭での遊び方のヒントが書かれた小冊子
- キャラクター:しまじろうとその家族・友人キャラクターを軸に、教材間でストーリーが連動
教材の総量は手頃で、毎月「今月はこれで遊ぶ・読む」というテーマが届く設計です。一方で、これを「家庭でどう使うか」のオペレーションは、結局のところ受講したご家庭側に委ねられています。ここに「うまく活かせていない」という悩みが集中します。
研究は何を言っているのか
こどもちゃれんじそのものを対象とした独立した第三者の効果研究は、現時点では限定的です(ベネッセ社による自社調査・受講者調査はありますが、第三者査読を経た研究は多くありません)。そこで本記事では、教材を構成する各要素 ── 絵本の読み聞かせ、親子で使う知育玩具、子ども向け映像 ── について、研究で何が言われているかを並べていきます。中立に整理します。
A:読み聞かせは、未就学期の言語発達ともっとも強く関連している
こどもちゃれんじの中心要素のひとつは、月1冊届く絵本です。絵本の読み聞かせは、幼児教育の研究領域の中でも特に蓄積が厚い分野です。
99の研究を統合したメタ分析(印刷物に触れる量と言語能力の関係)
は、未就学期の読み聞かせの量が、後の口頭言語能力の差の12%を説明するという強い結果を示しています。「教材の派手さ」や「特別なメソッド」ではなく、親と一緒に絵本に触れた時間の総量そのものが、子どもの言葉の土台に効くということです。
加えて、 2〜3歳の子どもを対象とした、対話的読み聞かせ(Dialogic Reading)の介入実験 は、同じ絵本を、親が「これ何かな?」と問いかけながら読み、子どもの発話を引き出す形で読むと、4週間で表出語彙が有意に伸びることを示しました。「読んで聞かせる」より「子どもとやりとりしながら読む」ほうが、言葉が育つということです。
つまり、こどもちゃれんじの絵本も、ただ読み流すより、子どもの反応を引き出しながら一緒に読むと、研究の知見にぴったり重なります。
B:伝統的玩具は、親子の対話と空間認識・言語の発達と相性がよい
エデュトイ(知育玩具)についても、関連する研究があります。
10〜16ヶ月の乳幼児26組の親子を対象に、3種類の玩具(電子玩具・伝統的玩具・絵本)で遊んでいる場面を録音し、親子の会話量と質を比較した研究
は、伝統的玩具(ブロック・型はめ・つみき等)や絵本で遊んでいるときは、電子玩具のときと比べて、親が話す言葉の数も、語彙の種類も、子どもとのやりとりのターン数も、いずれも有意に多いことを示しました。「玩具自身が喋る」設計のものは、親の発話を減らしてしまう傾向がある、という知見です。
こどもちゃれんじのエデュトイは、ぽけっと以降「音声ラーニングペン」のように音が出るものも含みますが、ねじブロック、つみあげタワー、形・色あわせ、ごっこ遊びの道具など、シンプルな手作業・見立て遊びを誘発する伝統的玩具に近いものがコアになっています。これらは、親が一緒に座って関わると、研究で支持される「親子の対話を生む素材」として機能しやすいタイプです。
C:子ども向け映像は、「質」と「親と一緒に見るか」で効果が分かれる
映像教材(しまじろうのDVD・配信動画)についても、研究の整理は明確です。
生後6ヶ月から30ヶ月までの乳幼児51名を、3ヶ月ごとに視聴記録とともに追跡した観察研究
は、番組の質と物語性によって、子ども向けテレビ視聴と語彙・表出言語の関係は大きく異なることを示しました。視聴者に問いかける構造を持ち、物語性のしっかりした教育番組(『Dora the Explorer』『Blue’s Clues』『Arthur』『Clifford』『Dragon Tales』など)は語彙獲得とポジティブに関連していた一方、物語性の薄い乳児向け番組(『Teletubbies』など)は負の関連を示しました。
しまじろうの映像は、毎月、生活習慣(歯みがき・トイレ・着替え)や社会性(順番を守る・お友達と仲よくする)を、しまじろうと一緒に経験するストーリー仕立てになっており、「物語性のある教育番組」のカテゴリに近い設計です。Linebargerらの研究の枠組みで見れば、内容の質としては悪くない部類に入る素材といえます。
加えて、DWE記事 で詳しく整理したとおり、同じ映像でも「親と一緒に見て、その内容について話す」と効果は大きく変わります。これは「co-viewing(共視聴)」と呼ばれる関わり方で、映像教材を研究の知見に合った形に変える、もっとも簡単な装置です。
D:Hirsh-Pasek の「教育コンテンツ4本柱」で見ると
最後にもう一本、教材を評価するためのフレームを置いておきます。
教育アプリ・玩具を学習科学の観点から評価するためのフレームワークを提示した、Psychological Science in the Public Interest のレビュー論文
は、効果的な学習体験を支える4つの柱を整理しています。
- 能動的に関わる(Active):子どもが頭と手を使って参加する機会があるか
- 夢中になる(Engaged):目的のないキラキラ・効果音で気を散らさず、活動に集中できるか
- 意味がある(Meaningful):子どもの生活や既知の概念とつながっているか
- 社会的につながる(Social):親や仲間との対話が体験に組み込まれているか
このフレームでこどもちゃれんじを見ると、「意味がある(生活習慣・社会性のテーマが日常と重なる)」と「能動的に関わる(エデュトイで手を動かす)」は標準装備です。一方、「社会的につながる(親が一緒に関わる)」だけは、ご家庭の使い方で決まる変数になっています。ここが、教材を活かせるかどうかの分かれ目です。
どう読むか:こどもちゃれんじに引き寄せて
A〜Dの研究群を、こどもちゃれんじというパッケージの上に重ねると、こんな整理ができます。
研究的に効果が出にくい使い方
Less effective use
DVDや配信動画を、家事の間にBGMのように長時間流しっぱなしにする。エデュトイは数日遊んだら箱にしまったまま。絵本は届いた日に1回だけ読み、その後は本棚で眠る。親向け情報誌はパラパラ眺めるだけ。「届けば自動で身につく」を前提に放置する。
研究的に効果が出やすい使い方
More effective use
絵本を毎晩のように、親が「これ何?」「次どうなると思う?」と問いかけながら読む。エデュトイを親も一緒に触って「これすごいね」「次これかな?」と関わる。映像は親が隣で一緒に見て、見終わったあと「しまじろう、歯みがき頑張ったね」と話題にする。情報誌の声かけのコツを月1ヶ条だけ意識する。
つまり、こどもちゃれんじというパッケージそのものに「効くか効かないか」が組み込まれているのではなく、「親が一緒に使っているか」に効果がぶら下がっているということです。これは DWE記事・知育玩具の記事・フラッシュカードの記事 で繰り返し見えてきた、同じ一本の線です。研究の言葉でまとめるなら、こうなります。
こどもちゃれんじの効果は、教材が生むのではない。親が教材を使って子どもと関わる時間が生む。こどもちゃれんじを「活かす」視点
ここからが、本記事のいちばん大事なところです。月額数千円で毎月届くこどもちゃれんじは、研究的に効くと言われている要素を、実は最初から豊富に含んでいます。要素別に、「ここを使うと研究の知見にフィットする」という観点で見ていきます。
絵本 ── 研究的にド真ん中
毎月届く絵本は、こどもちゃれんじのパッケージの中でもっとも研究の知見にフィットする要素です。Mol & Bus (2011) のメタ分析が示した「読み聞かせの量」、Whitehurst (1988) が示した「対話的読み聞かせ」── どちらも、家庭の絵本タイムで再現できます。
研究を踏まえた読み方のコツは、シンプルです。
- 子どもの反応を待つ(「これ何かな?」と問いかけて、すぐ答えを言わない)
- 子どもの発話を膨らます(「ぶーぶー」→「うん、青いぶーぶーが走ってるね」)
- 同じ絵本を繰り返す(子どもの「もう一回」に応じる。繰り返しが言葉を定着させる)
- 絵本のテーマを日常に持ち出す(「しまじろうも歯みがきしてたね」)
こどもちゃれんじの絵本は生活習慣・社会性のテーマが組み込まれているため、日常会話に持ち出しやすい設計になっています。これは家庭の絵本タイムの素材として、実はかなり扱いやすいタイプです。
エデュトイ ── 親も一緒に座る
エデュトイは、子どもが一人で遊んでも楽しめるよう設計されていますが、Sosa (2016) の研究が示すとおり、親が一緒に座って関わるかどうかで、親子のやりとりの量が大きく変わります。
- 「何作ったの?」「これ、何かな?」と問いかける
- 子どもの手の動きに言葉を添える(「ねじってる、ねじってる」「お、できた!」)
- 親も並行して触ってみる(競争ではなく、同じ素材で別のものを作る)
- 子どもが飽きたら気持ちよく終わる(無理に続けない)
エデュトイは月ごとに1点前後しか届かないので、箱にしまわずリビングの取り出しやすい場所に置いておくだけで、関わりの機会が増えます。「届いた月だけ集中して遊んで、翌月には棚の奥」というパターンは、もっとももったいない使い方です。
映像教材 ── co-viewing で価値が立ち上がる
しまじろうのDVD・配信動画は、Linebarger & Walker (2005) の枠組みで見れば「物語性のある教育番組」のカテゴリで、内容の質としては子ども向け映像の中で悪くないほうです。ただし、これも「流しっぱなし」ではなく、親が隣で一緒に見て、内容について話す(co-viewing)を組み合わせると、研究の知見に重なります。
- 親が隣で一緒に見る(全部見なくていい。最初の5分・終わりの5分でも)
- 見終わったあと、その日の生活で話題にする(「歯みがき、しまじろうみたいにできるかな?」)
- 子どもが歌のシーンで反応したら、親も一緒に歌う
- 同じ映像を子どもが繰り返したがるなら、応じる(繰り返しは2〜3歳の自然な学び方)
逆に、家事の合間に長時間流しっぱなしにする使い方は、研究的にもっとも効果が出にくいパターンです。これは「しまじろうが悪い」のではなく、映像メディア全般に共通する性質です。
親向け情報誌 ── 月1ヶ条でいい
こどもちゃれんじの親向け情報誌は、月齢別の発達のポイント、声かけのコツ、家庭での遊び方のヒントが書かれており、Hirsh-Pasek の4本柱でいう「Social(親が一緒に関わる)」を家庭で起こすための補助線です。
「全部きちんと読まなければ」と思うと、結局読めずに罪悪感が増えるだけです。「月に1ヶ条だけ意識する」でいいです。たとえばその月のテーマが「子どもの選択を尊重する声かけ」だったら、その月は「どっちにする?」を意識して使ってみる。それだけで、毎月少しずつ、関わり方の引き出しが増えていきます。
ペルソナの悩みに、ねい先生が応える
実は、こどもちゃれんじの ぽけっと を受講していて。毎月、絵本もエデュトイも届くんですけど、本当にこれが「効いている」のか、ずっと不安で。SNSで「しまじろうのおかげでトイトレ完了」みたいな投稿を見ると、うちはちゃんと活かせていない気がして…。
気持ち、よく分かりますよ。まず、こどもちゃれんじは 「届けば自動で身につく」設計の教材ではない んです。毎月、しまじろうのストーリーに乗せて、絵本・エデュトイ・映像で同じテーマを繰り返し届けてくれる ── これは、家庭で親子の関わりを起こすきっかけを月ごとにお膳立てしてくれているプラットフォーム、と捉えるのがいちばん近いです。
プラットフォーム…ですか。
はい。だから、「お母さんがどう関わるか」のところで効果が決まるんです。逆にいうと、お母さんが今やっていることの中で、すでに研究で「効く」と言われていることが、実はたくさんできているはずです。届いた絵本を寝る前に読んでいる、エデュトイを息子さんと一緒に少し触っている ── それで、もう半分以上できています。
でも、動画は家事をしている時間に流しちゃっているんです…。これってよくないですよね?
全部の時間「ダメ」とは言わないですよ。お母さんの一人時間も大事ですから。研究的に言えるのは、「長時間ずっと流しっぱなし」だと、映像から子どもが学ぶことは限定的、ということです。一方で、しまじろうの映像は物語性のある教育番組のカテゴリで、内容の質としては子ども向け映像の中で悪くないほうなんです。だから、たとえば「夕食後の10分だけ、お母さんも隣に座って一緒に見る」を週2〜3回入れるだけで、同じ映像が「親子で共有した時間」に変わります。
エデュトイは、最初の数日は喜んで遊ぶんですけど、すぐ飽きちゃって…。新しいのが届くと前のは忘れられて。
それ、2〜3歳の子は基本そういうものです。気にしないで大丈夫。コツは、箱にしまわずに、リビングの取り出しやすい場所に並べておくことです。お子さんがふと興味を持ったとき、お母さんが「これ、久しぶりにやってみる?」と一緒に座る ── そのきっかけが作れるだけで、エデュトイは何度でも復活します。「飽きた」のではなく、「注意がほかに向いただけ」のことが多いんですよ。
親向けの情報誌、全然読めていないのもずっと気になっていて…。
全部読まなくていいです。むしろ、「その月のテーマで、声かけのコツを1つだけ覚える」でいいんですよ。たとえば「子どもに選ばせる声かけ」がテーマの月だったら、その月は「どっちのお皿にする?」を意識して使ってみる。それだけで毎月、関わりの引き出しが少しずつ増えていきます。情報誌をきれいに読みこなすことが目的ではなく、その月の家庭のやりとりが少しでも変わることが目的ですから。
成果が見えないのも辛いです。同じくらいの子で「もうおむつ取れた」「ひらがな読める」とか聞くと、焦ります。
比較しないほうがいいですよ。2〜3歳の発達には、月単位ですごく個人差があります。同じこどもちゃれんじを受講していても、お子さんの好みや発達のテンポによって、刺さるテーマと刺さらないテーマがあります。「うちの子はトイトレはまだだけど、ねじブロックは大好き」、それで全然いいんです。お子さんが教材の中で楽しそうに過ごしているテーマが、いま伸びている部分です。
「合わせて使える」「代わりにもなる」選択肢
こどもちゃれんじは、家庭の知育のすべてを担う必要はありません。むしろ、他の手段と組み合わせるほうが、研究的には自然です。
1. 図書館の絵本(無料・幅が広がる)
地域の図書館の絵本コーナーは、未就学期のリテラシー環境としては最強の無料リソースです。こどもちゃれんじの絵本は月1冊なので、図書館で月数冊借りてくると、絵本のジャンルの幅が大きく広がります。Mol & Bus (2011) のメタ分析が示すように、読み聞かせは「量」が効きます。教材の絵本+図書館の絵本、の組み合わせは理にかなった構成です。
2. シンプルな知育玩具(ブロック・パズル)
知育玩具の記事 で詳しく整理しましたが、ブロック・パズル・つみき等のシンプルな伝統的玩具は、空間認識や数学スキルとの関連が複数の研究で確認されています。こどもちゃれんじのエデュトイは月1点前後なので、家にあるブロックやパズルと組み合わせて、日常の遊びの中に組み込むと、関わりの素材が厚くなります。
3. 親子の日常会話・実況中継
教材がなくても、買い物・料理・散歩・お風呂などの日常場面で、子どもが見ているものに名前をつけて話しかけること自体が、研究で確認されている言語発達の土台です。こどもちゃれんじのテーマ(例:今月は「色」)を、日常の中で「これは赤、これは青」と意識して話題にする、という重ね方もできます。
4. 他社の通信教材・知育サービスとの比較は無理しなくていい
「Z会・ポピー・ベビーくもん・Worldwide Kids も気になる」── 比較しはじめると切りがありません。研究的には、「どの教材が一番効くか」より「親が一緒に使える教材を、長く続けられること」のほうが、ずっと大きな変数です。すでに続いている教材があるなら、それを活かしきるほうが、新しい教材を増やすより効果的なことが多いです。
よくある二つの誤解
締めの対話
今日のお話を聞いて、ずっと胸につかえていたものが少し軽くなりました。「ちゃんと活かせていないかも」って毎月思っていたんですけど、寝る前に絵本を読んでいることや、エデュトイを一緒に少し触っていることは、もう研究で大事と言われていることをやれていたんですね。
やれていますよ。そこは自信を持ってください。あとは、今やっていることに、ちょっとした工夫を月1つだけ重ねていけば十分です。絵本を読みながら「これ何かな?」と問いかけてみる。エデュトイをリビングの取り出しやすい場所に置いておく。映像を週に2〜3回は10分だけお母さんも隣で見る。情報誌は月1ヶ条だけ覚える。これだけで、毎月の教材の価値はぐっと立ち上がります。
やってみます。今夜は絵本を読みながら、息子に「これ何かな?」って聞いてみますね。
それは素晴らしい一歩です。最後にひとつだけ。お子さんがしまじろうの歌を口ずさんでいたり、エデュトイで何かに集中していたり、絵本のページを指差して笑っていたり ── そういう小さな兆しを見てあげてください。それが見えていれば、教材の一番大事な仕事はすでにできています。「ペラペラ・スラスラ・優秀」を目標にしなくていいんです。お子さんがしまじろうと過ごす時間を「楽しいもの」「お母さんと一緒のもの」として受け取っている ── それが、こどもちゃれんじを受講している意味そのものですから。
肩の力が抜けました。ありがとうございます。
研究の詳細
Primary sources研究デザイン: 系統的レビュー + メタ分析
対象: 1980年代から2010年までの 99の研究(対象児童・若者 計 7,669名)
主要結果: 親と子どもの読み聞かせ・印刷物への接触量(print exposure)が、後の口頭言語能力・読解力・スペリングと中程度から強い相関。未就学期では口頭言語能力の差の 12% を説明。教材の種類より、親子の関わりの量が言語発達と強く関係することを示唆。
限界: 相関研究が中心のため、因果関係の証明には限界がある。
研究デザイン: 無作為化比較試験(RCT)
対象: 2〜3歳の幼児 30名(対話的読み聞かせ介入群と通常読み聞かせ対照群)
追跡期間: 4週間の介入 + 9ヶ月後のフォローアップ
主要結果: 親が「これ何?」と問いかけ、子どもの発話を引き出し、復唱・拡張して返す対話的読み聞かせ(Dialogic Reading)を受けた群は、通常の読み聞かせ群と比べて、表出語彙(Expressive Vocabulary)が有意に伸びた。効果は9ヶ月後にも一部維持。
限界: サンプルサイズは小さい。中流家庭の子どもを対象としており、結果の一般化には他の社会経済層での検証が必要。
研究デザイン: カウンターバランス比較実験(自然な家庭環境での録音)
対象: 10〜16ヶ月の乳幼児 26組の親子。3種類の玩具セット(電子玩具・伝統的玩具・絵本)で各15分ずつ遊ぶ
主要結果: 電子玩具での遊びは、伝統的玩具や絵本と比べて、親の発話量・親子の対話ターン数・親が用いる語彙の種類がいずれも有意に少ない。最も対話が多かったのは絵本、次いで伝統的玩具、最少が電子玩具。
限界: サンプル数が小さく(26組)、米国の家庭を対象とした短期観察。長期的な発達への影響は本研究からは直接示せない。
研究デザイン: 縦断的観察研究(階層線形モデル)
対象: 生後6ヶ月から30ヶ月までの乳幼児 51名を、3ヶ月ごとに視聴記録と語彙・表出言語の評価で追跡
主要結果: 番組の質と物語性によって、テレビ視聴と言語発達の関係は大きく異なる。視聴者に問いかける構造を持つ物語性のある教育番組(Dora the Explorer、Blue’s Clues、Arthur、Clifford、Dragon Tales)は語彙・表出言語と正の関連。物語性の薄い番組(Teletubbies)は負の関連。番組の形式と内容が結果を分けることを示した。
限界: 観察研究のため因果関係の証明には限界がある。視聴記録は親の自己報告に依存。
日本の幼児向け番組への直接の検証ではないが、「物語性・問いかけ構造のある教育番組」というカテゴリ評価の枠組みとして広く参照されている。
研究デザイン: 学習科学のレビュー + 教育コンテンツ評価フレームの提案
対象: 既存の学習科学・発達心理学の知見を統合し、市販の「教育アプリ」「教育玩具」を評価する4本柱のフレームを提示
主要結果: 効果的な学習体験は能動的関与(Active)・夢中になる(Engaged)・意味がある(Meaningful)・社会的つながり(Social)の4要件を満たす。特に Social(親や仲間との対話)は、教材単体では達成されにくく、家庭・保育者の関わり方で大きく決まる。
限界: 個別教材の効果検証ではなく、評価フレームの提案。個々の教材の効果は別途検証が必要。